古民家は残した方がいい!
そんなことを思いながら、鎌倉にある立派な古民家が壊されていくのをみて、自分の力ではどうにもできない不甲斐なさに落ち込むことがあります。
鎌倉にある立派な古民家ってどこも大きいんですね。なので、どうしても引き継いだ人たちが、維持していくのには莫大なお金がかかってしまいます。
そうすると、更地にして売った方がいいとされて、現状どんどん更地になっていってしまうのです…。
しかし、今回はとても立派な古民家が生き残り、あるプロジェクトを通して、その古民家のお披露目会に参加してきたので、家の中や、今後どう維持していくのかについてご紹介します。
鎌倉市に寄贈された旧村上邸
場所は、鎌倉駅から鶴岡八幡宮の裏あたりの西御門2丁目。
私もよく行くあたりでしたが、ここにこんな立派な古民家があったなんて驚きです。
門をくぐり抜けると立派な玄関。
昭和初期以前に建てられたとされていて、増改築を繰り返している古民家です。
ちなみにこの門、住んでいた村上梅子さんは、この玄関をほぼ使っていなかったそうです。
小さな玄関がもう一つあるので、そこを使っていたとのこと。
玄関の先には和室が4つあり、田の間構造。襖を外せば大きな1つの部屋になります。
会議室使用になっているので、ここをレンタルで借りることができます。
旧村上邸について
旧村上邸は、平成26年に鎌倉市に村上梅子さんが寄贈された古民家です。
延べ床面積420.08㎡という広い敷地で、鎌倉の典型的なお屋敷として存在感があります。
旧村上邸の主屋は、昭和14年以前に建てられた建物。
明治35年に土地売買の記録があり、また、明治45年発行の鎌倉の別荘に関する資料に記録があることから、それ以前に現在の建物のもととなるものが建築されたと考えられています。
行政から民間へ
そして、寄贈された古民家はざっくりいうと、「民間企業に運営してもらいたいからプレゼンしてね〜、いいかんじのところを採用するよ〜」というかんじで、旧村上邸保存活用事業実施主体選定公募型プロポーザル」を実施。
旧村上邸の土地および建物における保存活用方針を基本とした上で、民間事業者の創意工夫や活力を積極的に取り入れ、旧村上邸の外観を保存しながら営む事業を実施する主体を選定するために、「旧村上邸保存活用事業実施主体選定公募型プロポーザル」を実施しました。
鎌倉の不動産仲介、建築事務所でもあるエンジョイワークスが運営することが決まり、まちづくり参加型のクラウドファンディングとして、スタートしました。
ハロー!RENOVATIONは、空き家・遊休不動産(モノ)と利活用したい人(ヒト)をつなぎ、みんなが想いのあるお金(カネ)を中心にサポートする、まちづくり参加型クラウドファンディングサービスです。
今回のプロジェクトはこちら↓
SNSで意見を出し合ったり、イベントに参加したり、そして一番注目されているのが事業オーナーとしての関わり方です。クラウドファンディングで出資という形です。
投資型クラウドファンディングとは
収益の一部をリターンとして金銭で受け取ることが出来、また元本部分である出資金の返還を受けられることが、寄付型・購入型クラウドファンディングと比較した場合、最大の特徴。
さらに投資をするだけでなく投資家イベントに参加いただき、一緒にプロジェクトの未来を描くことや投資家優先枠を設けた実際のものづくりイベントに参加することで、「共創」的にプロジェクトへ参加できる。
少し改修して利用できる施設へ
さて、エンジョイワークスが改修したので、みていきましょう。
会議室の先にはキッチンとラウンジ。
キッチンは住んでいたころにリフォームしているので、そのままです。
ラウンジはホテルにありそうなソファーと絨毯が敷かれていて、モダンな空間ですね。
縁側は広いので、ここは広縁ですね。絨毯が敷いてあるので、ちょっと雰囲気違うかな〜
外から見ると、このようなかんじで、風の通りが気持ちよかったです。
ここからがすごいですよ〜
なんで!?能舞台あるの!?
びっくりですよね。家に能舞台ついているとか、はじめて見ましたよ。
ちなみに、奥には茶室もあります。
私は一番、ここらからの広い空が見える位置が好きでした。
暑い日だったんですが、ラウンジは風が通ると気持ちよかったですね。
利用して維持していく
クラウドファンディングで投資家たちと意見をかわしながら、企業研修やセミナー、会議室使用、茶室利用など使っていきながら維持していくそうです。
雑草抜きが一番大変なので、ボランティアイベントとかありだよね、という意見も出てました。
オープニング価格では、会議室利用(ラウンジ込み)で4時間15,000円。通常価格は50,000円なので、今が一番利用しやすいと思います。
ちなみに、クラウドファンディングの方は、目標金額900万円を達成していました。
これからが楽しみだし、こういう事例を鎌倉市はどんどん出していってほしいですね。
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